いよいよ8月も最終日。薄曇りで少し暑さも和らいだように感じますが、夕方からは雨予報。この蒸し暑さにはいい御湿りとなるでしょうか。
日本橋から始まった東海道の旅も雨空となりました。蓑笠姿、馬乗で合羽をはおった旅人たちが急ぎ足で大磯宿へ向かいます。右手には平塚のまん丸な高麗山の裾野がみえてます。松の向こうに見えるは相模灘。相模灘と言えば久保田酒造ですが、そろそろ夏越し酒(ひやあがり)や秋上がりの入荷する楽しみな季節でもあります。
…話がそれましたが、副題につけられた“虎ヶ雨”について。「仮名手本忠臣蔵」「鍵屋の辻決闘」と並んで日本三大仇討ちの一つ「曽我物語」で曾我十郎祐成が仇討ちで命を落としたのが1193年の旧暦5月28日のことで、その十郎が愛した大磯宿の遊女 虎御前が流した涙が雨となったという話からその日に降る雨は“虎ヶ雨”と呼ばれました。鎌倉時代の話が江戸時代の版画に反映されたのですね。ちなみに初夢で縁起が良いとされる「一富士 二鷹 三茄子」は、富士=曾我兄弟の仇討ち(富士山の裾野)、鷹=忠臣蔵(赤穂浅野家の紋所が鷹の羽)、茄子=伊賀越の仇討(伊賀が茄子の名産地)という説があります。
つぎは小田原宿へまいります。